暮らしと相続の全体設計
ご家族が亡くなった後、何から始めればよい?
役所・住まい・契約の手続きと、相続手続きを順番に整理します
ご家族が亡くなると、葬儀や病院・施設の精算、住まいや契約の整理と並行して、遺言書、相続人、財産と負債の確認が始まります。すべてを一度に進めるのではなく、急ぐことと後でよいことを分けるところから始めます。
このページでは、ご家族が亡くなった後に行う各種手続きと相続手続きを、一つの流れとして扱います。
死後事務委任は、本人が生前に第三者へ実行を託しておく契約です。すでに契約がある場合は、家族と受任者の役割を確認します。制度については、「亡くなった後の手続きへの備え」でご案内しています。
01 亡くなった後の手続きの全体像
暮らしを終える手続きと、財産を引き継ぐ手続きがあります
ご遺族が行うことは、相続だけではありません。二つの手続きを分けて見ながら、関係する部分は一緒に確認します。
各種手続き
暮らしや契約を終える
葬儀・納骨、病院や施設の精算、役所への届出、住まいの明渡し、公共料金・電話・デジタル契約、家財やペットなどを整理します。
相続手続き
財産と権利義務を引き継ぐ
遺言書、相続人、財産と負債を確認し、相続放棄等の判断、遺産分割、銀行・証券、不動産登記、税務へ進みます。
二つは、完全に別々ではありません
賃貸住宅の明渡し、敷金や預り金の精算、未払料金、家財の処分などは、暮らしの整理であると同時に、相続財産や相続人の権利義務に関係することがあります。
02 何から手をつければよいか分からない方へ
まず、「直後に必要なこと」と「期限があること」を分けます
手当たり次第に解約や名義変更を始める必要はありません。今日確認すること、数日から数週間で進めること、相続の判断に関わることを分けます。
直後
葬儀・連絡・住まいを確認する
死亡届や火葬許可、葬儀、病院・施設への連絡、住まいの鍵、同居者やペットなど、すぐに動くことを確認します。
早めに
役所・住まい・契約を並べる
健康保険・年金等の届出、賃貸住宅、公共料金、電話、継続契約など、亡くなった方名義の手続きを一覧にします。
相続の前提
遺言書・負債・期限を確認する
財産を動かす前に、遺言書、借入れや未払金、相続放棄等の期限を確認します。
役所の手続きは、市区町村によって窓口や必要書類が異なります
亡くなった方の住所地の案内をご確認ください。練馬区では、おくやみハンドブック、手続きナビ、おくやみコーナーが用意されています。
負債が分からないときや、3か月の期限が近いときは、先にご相談ください
相続放棄や限定承認を検討する可能性がある場合は、預金の解約や財産の処分を急がず、財産と負債の確認を優先します。
03 暮らしと契約を終える各種手続き
葬儀が終わった後にも、ご家族が確認することが残ります
すべてをご家族だけで行う必要はありません。まず対象を洗い出し、ご家族、契約先、事業者、専門職の役割を決めます。
精算・届出
病院・施設・勤務先・役所
医療費や施設利用料、預り金、退所時の荷物、健康保険や年金等の届出、勤務先からの書類を確認します。
住まい
明渡し・鍵・家財・郵便
賃貸借契約、退去期限、鍵、家財、郵便物、固定資産や管理費を確認し、相続人の判断が必要なことを分けます。
継続契約
公共料金・電話・デジタル
電気、ガス、水道、電話、インターネット、サブスクリプション等を確認し、解約、名義変更、継続を判断します。
人・物・動物
関係者への連絡・家財・ペット
連絡する人、形見や処分する家財、預けている物、ペットの引取先など、本人が残した情報を手がかりに進めます。
家族が行う場合と、死後事務受任者が行う場合があります
死後事務委任は、本人が生前に結んでおく契約です。契約がある場合は受任者へ連絡し、ご家族との分担を確認します。契約がない場合は、ご家族・相続人等が各機関の案内に沿って進め、必要に応じて事業者や専門家へ依頼します。
04 相続手続きを始める前に
相続手続きは、四つの確認から始めます
最初から戸籍や証明書をすべてそろえる必要はありません。分かる範囲から確認し、足りない資料を後から補っていきます。
遺言書があるか
自宅、公証役場、法務局の保管制度などを確認します。遺言書の種類によって、検認やその後の進め方が変わります。
相続人は誰か
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などをたどり、法律上の相続人を確認します。前婚のお子様や、先に亡くなったお子様がいる場合も確認が必要です。
財産と負債は何か
預貯金、不動産、証券、保険、車、事業用財産のほか、借入れ、未払金、保証債務の手がかりも確認します。
急ぐ期限があるか
死亡日だけでなく、ご家族が相続開始を知った日、遺産分割の日など、手続きごとの起算点を確認します。
自宅などで遺言書を見つけた場合
公正証書遺言と法務局で保管されている自筆証書遺言を除き、原則として家庭裁判所の検認が必要です。封印のある遺言書はご家族だけで開封せず、まず種類と保管状況を確認します。検認は、遺言書の有効・無効を判断する手続きではありません。
05 期限のある手続き
すべての手続きが、同じ期限ではありません
次の期限は代表例です。すべての方に必要となるわけではなく、数え始める日も手続きによって異なります。
自分が相続人として相続の開始を知った時から数えます。調査が終わらない場合は、期間伸長の申立ても検討します。
亡くなった方に申告が必要な所得がある場合に、相続人が申告・納税します。
申告が必要な場合の期限です。遺産分割が終わっていなくても、期限は自動的には延びません。
不動産を相続で取得したことを知った日から数えます。遺産分割で取得した場合は、協議成立日から3年以内の申請義務もあります。
期限が近い場合は、「全部そろえてから」ではなく先にご相談ください
資料が不足していても、期限を守るために先に確認・依頼すべき専門家を整理できます。
06 亡くなった後の手続きの流れ
各種手続きと相続手続きを、並行して進めます
暮らしや契約の整理を進めながら、相続人と財産を確認します。相続手続きは、遺言書の有無によって途中の進み方が分かれます。
直後に必要な連絡と対応を確認する
葬儀、病院・施設、住まい、同居者やペットなど、すぐに対応することを確認します。
遺言書と期限を確認する
遺言書の種類と保管場所、相続放棄や税務などの期限を確認します。
各種手続き
役所・精算・住まい・契約を整理する
必要な届出、病院や施設、賃貸住宅、公共料金、電話、家財などを一覧にし、担当者を決めます。
相続手続き
相続人・財産・負債を調べる
戸籍を収集して相続人を確認し、預貯金、不動産、証券、借入れや未払金などを一覧にします。
相続するかを判断する
財産と負債を踏まえ、相続放棄や限定承認の検討が必要かを確認し、必要に応じて担当専門家へつなぎます。
遺言書がある場合
遺言書に沿って進める
必要な検認を済ませ、遺言執行者の有無や財産の記載を確認し、名義変更や引渡しへ進みます。
遺言書がない場合
相続人全員で分け方を決める
財産目録をもとに話し合い、合意した内容を遺産分割協議書にまとめます。
各種手続きと財産ごとの手続きを進める
住まいや契約の整理を進めながら、銀行、証券会社、保険会社、車などの手続きを行います。
登記・税務・残る手続きを完了する
不動産登記は司法書士、税務判断と申告は税理士と連携し、残っている精算や名義整理も確認します。
遺言書があっても、すべてが自動的に終わるわけではありません
遺言書に書かれていない財産がある場合や、内容の解釈、遺留分、相続税などの問題がある場合は、追加の確認や専門家への相談が必要になることがあります。
07 当事務所がお手伝いできること
全体を整理し、必要な手続きと専門家をつなぎます
何が残っているかを確認するところから、相続関係の書類作成、金融機関等の手続き、専門家への接続まで、必要な範囲で支援します。
全体整理
亡くなった後の手続き一覧を作る
役所、住まい、契約、相続、税務などを一度並べ、急ぐこと、担当者、必要な資料を整理します。
各種手続き
窓口と進め方を整理する
市区町村、病院・施設、賃貸住宅、公共料金等について、確認先と必要書類を整理し、対応できる範囲をご案内します。
相続人
戸籍収集・相続関係の整理
必要な戸籍を収集し、相続人を確認します。必要に応じて、相続関係説明図や法定相続情報一覧図の作成を支援します。
財産
財産と負債の一覧化
お預かりした資料や照会結果をもとに、預貯金、不動産、証券、負債などを財産目録として整理します。
合意を書面へ
遺産分割協議書の作成
相続人全員で合意した内容を、各種手続きに使える書面へ整えます。対立する当事者間の交渉や代理は行いません。
名義整理
金融機関等の手続き支援
銀行、証券会社、保険会社、車などについて、必要書類の確認、書類作成、手続きの進行を支援します。
専門家や事業者へ渡す情報も、ばらばらにしません
登記や税務が必要な場合は、相続関係、財産、決まったこと、未確認の点を整理して司法書士や税理士へつなぎます。葬儀、住まいの片付け、不動産、家財整理などの実作業は、必要に応じて各事業者と連携します。
08 専門家・事業者との役割分担
亡くなった後の手続きは、一つの窓口だけで完結しません
行政、金融機関、専門職、葬儀や住まいに関わる事業者の役割を分け、同じ情報を共有することが、手戻りを減らします。
行政書士
全体を整理し、相続関係の書類を整える
各種手続きの全体整理、戸籍収集、財産目録、合意済みの遺産分割協議書、金融機関等の手続きを支援します。
司法書士
不動産の相続登記を申請する
土地・建物の名義変更、数次相続や古い登記名義など、登記に関する手続きを担当します。
税理士
税務判断・財産評価・申告を行う
相続税や準確定申告の要否、税務上の財産評価、特例の適用、申告・納税を担当します。
弁護士
対立・交渉・紛争に対応する
相続人間に対立がある場合の法律相談、代理交渉、調停や訴訟などを担当します。
司法書士、税理士、弁護士、葬儀社、家財整理業者、不動産事業者等への依頼が必要な場合は、原則として別途契約と費用が必要です。当事務所は、役割分担と進める順番を整理します。
09 早めに相談した方がよいケース
「少し複雑かもしれない」と感じた段階で構いません
早く相談する目的は、すぐにすべてを依頼することではありません。先に注意点を見つけ、取り返しのつかない遅れや手戻りを避けるためです。
- 何から始めるか、家族の中で分かる人がいない
- 病院・施設の退所や賃貸住宅の明渡しを急ぐ必要がある
- 契約、郵便物、スマートフォンの情報が整理されていない
- 死後事務委任契約があるか、誰が受任者か分からない
- 借入れや保証債務があるか分からない
- 相続放棄の3か月が近づいている
- 封のある遺言書や複数の遺言書が見つかった
- 疎遠・行方不明・海外在住の相続人がいる
- 未成年者や判断能力が低下した相続人がいる
- 前の相続が終わっていない不動産がある
- 相続人同士の意見がすでに分かれている
- 事業、不動産、証券など財産の種類が多い
- 相続税がかかるか判断できない
- 期限のある通知や書類が届いている
すでに対立や紛争がある場合
当事務所が一方の代理人として交渉することはできません。状況を伺い、必要に応じて弁護士への相談をご案内します。
10 初回相談にお持ちいただくもの
資料が全部そろっていなくても、ご相談いただけます
次のうち、手元にあるものだけで構いません。分からないもの、見つからないものも、そのままお伝えください。
- 死亡届の控え、死亡診断書の写しなど、手元にある死亡関係書類
- 病院・施設・葬儀社から受け取った書類や請求書
- 賃貸借契約書、鍵、公共料金や電話等の請求書
- 遺言書、遺言書の保管証、公証役場に関する資料
- 亡くなった方の氏名、死亡日、最後の住所・本籍のメモ
- ご家族関係が分かる簡単なメモ
- 戸籍、住民票、印鑑証明書など、すでに取得した書類
- 通帳、残高証明書、証券会社からの郵便物
- 固定資産税納税通知書、登記事項証明書、権利証
- 保険証券、保険会社からの案内
- 借入金、ローン、請求書、保証に関する資料
- 税務署、役所、金融機関などから届いた書類
- ご家族が気になっていることのメモ
「何がないか分からない」状態でも大丈夫です
初回相談では、資料を完成させるのではなく、何をどの順番で確認すればよいかを整理します。
11 料金とご依頼の流れ
必要な手続きだけを組み合わせて、お見積りします
各種手続きの整理範囲、相続人や財産の数、金融機関、不動産、期限などによって業務量が変わります。正式なご依頼前に、当事務所が行うことと、外部へ依頼することを分けて料金をご説明します。
亡くなった後の各種手続きの全体整理は、必要な範囲を確認してお見積りします
相談時に、家族が行うこと、当事務所へ依頼すること、専門家や事業者へ依頼することを分けます。すべての方に、下記の業務が必要になるわけではありません。
| 内容 | 料金の目安(税込) |
|---|---|
| 戸籍収集・相続人確定 | 33,000〜66,000円 |
| 法定相続情報一覧図作成 | 22,000円 |
| 財産目録作成 | 33,000〜88,000円 |
| 遺産分割協議書作成 | 55,000〜110,000円 |
| 銀行の解約・名義変更支援 | 1金融機関33,000〜55,000円 |
| 証券会社の相続支援 | 1社55,000〜88,000円 |
| 保険金請求等の書類支援 | 1社22,000〜44,000円 |
| 車・公共料金等の名義整理 | 11,000円〜 |
戸籍・証明書の取得費、郵送料、交通費等の実費は別途必要です。不動産登記、税務申告、紛争対応などを司法書士、税理士、弁護士へ依頼する場合は、外部専門家の報酬が別途必要です。
最初の入口
初回無料相談
60分・無料
現在の状況を伺い、急ぐこと、必要な確認、次に進む方法を大まかに整理します。
詳しい整理が必要な場合
見通し整理相談
120分・22,000円(税込)
資料を確認し、課題、優先順位、必要な手続きと専門家、今後の進め方を整理します。
状況と緊急性を確認
必要な手続きと担当者を確認
内容と料金をご説明
資料収集から完了まで進行
12 よくあるご質問
亡くなった後の手続きについて、よくいただくご質問
資料が何もそろっていません。それでも相談できますか?
はい。亡くなった方とご家族の基本情報、分かっている財産、届いている郵便物などから確認します。初回相談のために、先に戸籍をすべて取得する必要はありません。
葬儀後の役所、住まい、契約の手続きも相談できますか?
はい。残っている手続きを一覧にし、確認先、必要書類、誰が行うかを整理します。実際の葬儀、家財整理、清掃、不動産業務などは、それぞれの事業者が担当します。当事務所が行える支援範囲は、相談時にご説明します。
亡くなった後から、死後事務委任契約を結べますか?
死後事務委任は、本人が生前に実行者と結んでおく契約です。本人の死亡後に、本人名義で新たに契約することはできません。ただし、ご遺族や相続人が、自分たちの立場で事業者や専門家へ個別の手続きを依頼できる場合があります。
封をした遺言書を見つけました。開けてもよいですか?
封印のある遺言書は、ご家族だけで開封せず、そのままお持ちください。遺言書の種類と保管状況を確認し、家庭裁判所の検認が必要かを判断します。
相続人全員が、最初から相談に参加する必要がありますか?
初回相談は、代表の方だけでも構いません。ただし、遺産分割協議を成立させるには、最終的に相続人全員の合意が必要です。
相続税がかかるか分からない場合も相談できますか?
はい。財産の概要を整理し、税理士による確認が必要かを見極めます。相続税の要否、税務上の評価、申告は税理士が担当します。
家族間でもめています。遺産分割協議書を作ってもらえますか?
当事務所は、相続人全員が合意した内容を協議書に整えることができます。一方の代理人として交渉したり、対立を調整したりすることはできません。紛争性がある場合は弁護士への相談をご案内します。
銀行一つだけなど、手続きの一部だけ依頼できますか?
可能です。ただし、その手続きの前提となる相続人や遺言書、遺産分割の確認が必要です。確認範囲を含めてお見積りします。
亡くなった後のことを、まとめて整理します
役所、住まい、契約、遺言書、相続人、財産と負債、期限。何を依頼するか決めていなくても、分かるところから一緒に整理できます。
初回相談60分・無料。ご相談内容を伺ったうえで、必要な確認と今後の進め方をご案内します。
